彼女はめっきり神社から遠退いていたせいか、思わぬ出現に驚きを隠せなかった。
俺達は噂を気にするあまり、学校で顔を合わせても素通りしていた。



だけど、あの日。
久しぶりに言葉を交わしてみると、彼女の口から一番最初に出たのは、他の奴らと同じくミクの告白話。


俺は学校で散々冷やかされた直後だったから、もうこれ以上聞きたくなかった。
お前までその話をするつもりかよ…って、その時は思った。



別の女の告白話をされた途端、俺は抑えていた感情に限界を迎えた。




勿論、泣かせるつもりなんてない。
だけど、彼女の口から一番聞きたくない言葉だった。


彼女は悪くないのに…。
でも、後悔した時は既に遅しで、彼女は泣きながら俺の元から立ち去った。
遠ざかっていく足音だけが耳に入っていく。



だけど、彼女の事を考える余裕がなくて自分の事しか頭になかった俺に、おじいさんは彼女がいつも傍にいてくれた大切さに気付かせてくれた。

俺は失いつつあった大切なモノに目を向けるキッカケを与えてもらった。