すると、咲は恋の進展についてグイグイと詰め寄り始めた。



「愛里紗の中で理玖くんを受け入れる体制になってたから、心の準備が整う前に自然と告白を受け入れちゃったのかもね」

「……そうなのかな。正直、まだ自分の気持ちがよく分かんないや。好き……なのかさえ」


「大丈夫だよ。愛里紗のハジメテの相手は理玖くんかもね。なんか、ドキドキしちゃうね」

「やだぁ。……ハジメテって、ちょっと怖いな。まだ全然先のような気がしてたけど…」


「理玖くんは愛里紗を愛してくれているから、きっと怖くないよ」

「……そうかな、怖いな。咲の時はどうだった?」


「えっ………」

「やっぱりハジメテの時は怖かった?」



咲からハジメテどころかキスの話さえ今まで聞いた事が無かったけど……。
彼と交際してからもう半年くらい経ってるし、多分もう経験済みだなと勝手に憶測していた。

だから、今後の参考にしようと思って何気なく探りを入れた。