ひと眠りしてから枕元の時計を見たら15時半になっていた。


今朝、薬を飲んだ後に眠り込んだ様子。
その間お昼をまたいでいるけど、熱があるせいかお腹は空いていない。
お母さんは眠っている様子を見て敢えて起こさなかったのかな。


学校…。
普段なら、もうとっくに下校している時間だね。



愛里紗は枕元の時計を眺めながらそんな事を考えて、ゆっくりベッドから起き上がった。



少し眠ったけど元気になった訳じゃない。
頭痛はするし、身体の節々の痛みは治まっていない。



それなのに…。

どうして、外出の準備をしているの。
どうして、心配しているお母さんの目を盗んで家を飛び出したの。
どうして、私の足はいま神社へ向かっているの?



谷崎くんに謝りたい一心だったせいか、体調不良のクセに頭よりも先に身体が動いていた。
気付けば神社に居ると思われる彼の元に走り向かっている。