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入学当初はブカブカだった制服は、三年という長い歳月と共に少しばかし窮屈になった。
成長の証とも言える。


三年間の中学生生活で多感な時期を経て、物事の考え方一つも別の角度から見れるように。
こうして毎日身体の成長と共に少しずつ大人への道筋を歩んでいく。




ーー今日は中学校の卒業式。

子供から大人への第一歩を踏み出す人生で大きな節目の日。



卒業式が無事に終わり、袴を着ている担任教師は真っ赤にしている目元をハンカチで押さえて教室で最後の別れの挨拶をした。


思わずもらい泣きする。
仲が良かった友達とも同じ制服を着て学校で会えなくなると思ったら、猛烈に寂しくなった。

楽しい思い出だけが蘇ると目が腫れるまで泣いた。
まるで水道の蛇口を開きっぱなしにしてしまったかのように鼻水が止まらない。



中学生生活最後の教室内は、まるで通夜が行われているかのよう。
すすり泣く声だけが室内に響き渡った。



両親には今日で最後だからとワガママを言って先に帰ってもらい、残りのわずかな時間を教室内で写真を撮ったり、友達と別れの挨拶をして過ごした。


しかし、別れを惜しんでいる友達と校門を出た直後、悲しみに包まれている私にある事件が起こった。