ーー20分後、ノグとミキが家に到着。

突然ただならぬ意気込みで呼び出された二人は何事かと思い、愛里紗の部屋で互いに顔を合わせた。



愛里紗は体育館前でミクと話し合った事を一つ一つ思い返しながら二人に伝えた。

上履きの件から、大きな決断まで…。



「私…、今日谷崎くんに告白する」



一度目に放った爆弾は暴発により惨敗したけど、二発目ともなるとある程度の覚悟は備わっている。



「そっか。いよいよ心を決めたんだね」

「頑張って!以前みたいに焦っちゃダメだよ。あーりんらしくね」



二人は愛里紗の強い決意に快くエールを送る。
愛里紗は親友に決意表明をして、後戻りしないように気持ちを奮起させた。



「大丈夫。きっと、あーりんなら上手くいく。緊張してもゆっくり深呼吸してあんたが伝えたい事だけを伝えるんだよ」

「うん。わかってる」

「頑張れ、頑張れ!」



ノグは私の気持ちを後押しするかのように、ポンポンと肩を叩いた。



前回とは違う緊張感が襲う。
決して怖くない訳じゃない。
告白する立場ならきっと誰だって一緒。



谷崎くんが自分の事を好きかもしれないと思い始めるようになってから、気持ちが抑えきれなくなった。

このまま何もしないのはイヤ。
今まで通りの関係じゃダメ。


好きだから前に進みたい。
以前みたいに逃げたりしない。
谷崎くんの笑顔を独占したい。



いつも味方でいてくれる親友二人と、告白への後押ししてくれたミクのお陰で、私は気持ちの足並みが揃った。