理玖はお化け屋敷に入る事を渋ってブーブー文句を言っている私になどお構い無し。
一心不乱にお化け屋敷へ向かい、入り口の係員に二人分のチケットを出した。



強制的にお化け屋敷の中に入らされそうになると、手を引き返して最後のあがきを見せる。



「…理玖。何で私の分のチケットまで出したの?まだ、お化け屋敷の中に入るなんて言ってないじゃん」

「ワックワクするなぁ。本物出て来んのかなぁ。最後に人間とか来られたらヤバイよな。超ドキドキだわぁ」



私の話なんて全く聞いてないし。



「ねぇ、ちょっと〜。聞いてる?無視しないでよ」

「ほら、そこで駄々をこねてると後ろに人が詰まるから、ブツクサ言ってないで早く行こ」


「理玖〜〜っ」



駄々をこねたり踏み止まったりして嫌がる素振りを見せても、今日の理玖には全く通用しない。

結局、理玖に引きずられるようにほぼ強制的にお化け屋敷の入り口の奥へと吸い込まれていく。


これじゃあ、さっきのジェットコースターの時と一緒じゃん。
私にはもうここからがホラーだよ。