奴と会える可能性は低いのに、何故か妙な自信が俺の気持ちを煽り立てていた。




奴と会うには校門で待つしかない。

何故なら奴に関する情報はほぼゼロに等しい。

だから、先日奴が着ていた英神高校の制服を見た瞬間、会うなら直接学校に出向いた方がいいと考えた。


恋は盲目。
愛里紗を想うと居ても立っても居られなくなってしまう。



「キャーっ。あそこにイケメンがいる!」

「あの人絶対芸能人だってぇ!」

「絶対そうだよー!」



校舎の方から翔に指をさしてキャーキャーと騒ぐ女子高生三人組が校門の方へとやって来た。

日常的に女子から黄色い声を浴び慣れている翔だが、今回は理玖探しに集中したいせいもあって、いつも以上に黄色い声が鬱陶しい。


すると、その三人組のうちの一人が謙虚な態度で声をかけてきた。