雑貨屋で会計を済ませた後、レジ袋を片手にエスカレーターを下る。
下の階の景色を眺めている私の頭の中は、理玖の事で頭がいっぱいだった。



理玖と付き合い始めてから三ヶ月。


この三ヶ月間、毎日幸せだった。

交際するにあたって難しく考えていた事が、実はそんなに難しくなかったし。
毎日沢山笑わせてくれるし、優しくしてくれるし、毎回塾に迎えに来てくれる。
元気がない時は気持ちに寄り添ってくれるし……。



私自身も、今はこうやって昔のことを思い浮かべながらバレンタインの準備をしたり。
先日は自分からキスをしたり。

まだ自分の気持ちは分からないけど、少なからず心に影響している。



勇気を出して唇を重ねた後は、彼は何事もなかったかのようにいつも通りの姿に戻っていた。
憂鬱な様子を見せたのはあの日だけ。

本当に何があったのかな。