ケーキを食べ終えてから、理玖から『教えて欲しい問題があるから』と言われて二階の部屋へ向かった。



何度見てもド派手なインテリアに目が眩む。

部屋の中に入り、センターテーブルの横にゆっくり腰を下ろすと、理玖は机脇に置いてあるボックスを開けて何かを取り出し、受け取れと言わんばかりに愛里紗の目の前に差し出した。



「はい、これ……」

「えっ…。これってもしかして、私への誕生日プレゼント?」


「……ま、そんなに期待させるようなもんじゃないけど」



理玖はプレゼントを手渡すと照れ臭そうに頭をポリポリと掻く。
愛里紗は予想外のプレゼントに感無量になり目頭を熱くさせる。



「うそぉ……。やだ、嬉しい」

「お前の誕生日、忘れてねぇから」


「ありがとう!ねぇ、早速箱を開けてもいい?」


「…せっかちだなぁ。まぁ、いいよ」

「やったぁ!」



ワクワクしながらプレゼントの巻いてあるリボンを丁寧に解き、茶色い箱の蓋を開けた。

すると、中から出てきたのはシルバーのハート型のネックレス。
ハート飾りの真ん中には、ピンクの宝石のような石が一粒。



愛里紗はネックレスの可愛さに心奪われると、ネックレスを箱から取り出して手のひらに乗せる。



「超かわいいじゃん!理玖は昔からセンスがいいね!」

「…そんなに褒められると、逆に恥ずかしいかも」



理玖は愛里紗がキャーキャー喜んでいる横で、中学生だったあの頃と同じく温かい眼差しで見つめていた。