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「咲は中間テストの結果、どうだった?」
ーーテスト結果が返却された日の翌日。
昼休みに屋上のベンチに腰をかけた愛里紗と咲。
愛里紗は最近バイトを始めたばかりの咲の成績が気になって、コーヒー牛乳を片手に聞いた。
「出来はイマイチだったかな。クラス順位は二位くらい下がったから」
「えっ!前回のテスト結果がクラスで三位だったから、今回は五位って事?」
「あー、うん。……やっぱりバイトが成績に響いたかな」
エヘヘと苦笑いする咲だけど、バイトをしつつもしっかり勉強をしている。
私なんてバイトもしていないのに、毎回こんな悪い点数を取って…。
母が怒るのも無理はない。
「クラスで五位なんてすごいじゃん!」
「そんな事ないよ…。第一志望のK大に合格するにはまだ全然追いつけないし」
「私なんてさぁ、テストの出来が悪くて夏休みから夏期講習に通う事になったの」
「あっ、私も夏期講習に行くかも。英語の点数がちょっと悪かったから…」
咲の夢は教師。
中学生の頃に憧れの先生に出会えた事がキッカケだとか。
咲は一見頼りなさそうに見えるけど、しっかり現実を見ている。
「愛里紗の夢は決まった?」
「私はまだ…」
将来の夢がハッキリしている咲とは違い、私はまだ夢が見つかっていない。
時間だけは刻一刻と過ぎて行くのに…。