喫茶店に入った時は、眩しいくらいの夕日が窓際に座る俺達に降り注いでいた。

俺と父さんの話し合いは思いの外、長丁場に…。
窓から差し込む光は、いつしか店内の照明に勝らなくなった。




父さんの自分勝手な見解や犯した過ちは無性に腹が立ったけど、新しい命を守る理由に理解が出来た。
きっと、高二の今だからこそ父さんの気持ちに行き届いたんだと思う。



父さんは、目が悪くなるし外遊びしなくなるからと言って、スマホ以前に携帯ゲームすら買ってくれなかった。

学校に行くと友達の話題はゲームばかり。
話についていけない事があって何度か辛い思いをした事がある。


でも、週末にはそんな悩みを忘れさせてしまうくらい、いっぱい外に連れ出して身体を動かす遊びを教えてくれた。

だからこそ、父さんがいなくなったと同時に失うものが沢山あった。



父親の件を誰にも相談出来なかった分、自然と近所の神社で過ごす事が多くなった。
そこには一人ぼっちの自分を支えてくれる、おじいさんの存在があったから。