ノグは話に軌道が乗り始めたところで一息つくと話題をシフトした。
「あのさぁ、愛里紗の親友の駒井さんってどんな人なの?」
「あぁ、咲?」
「うん」
「んー、そうだなぁ。誰に対しても優しくて、甘えん坊の妹タイプかな?…まぁ、一人っ子の私に妹はいないけどイメージ的に」
「アタシは駒井さんと一度も話した事がないからよくわからないけど…。この前、たまたま聞こえちゃったんだ。一組の女子三人組が駒井さんの悪い噂をしててさ」
「何でだろう。誤解があるのかな…。咲はすごくいい子なのに…」
正直、親友の悪い噂を立てられるのは気分が悪い。
ひょっとしたら咲が可愛いから僻んでいるのかな。
愛里紗は嫌な気分になったが、そこまで深く追求しなかった。
違うクラスのノグとはそれぞれの下駄箱へ向かう為にバイバイしてその場を離れた。