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「三組目のカップル誕生だね!」



突然吉報を伝えられたサオリとユカは、同じグループ内の最後のカップル誕生にパッと目を輝かせた。



「どっちが告白したの?」とか、「どんなところが付き合う決め手だったの?」とか、質問責めに。

歓迎的な雰囲気に飲み込まれてしまったせいか、自分の中に新しい感情が芽生えたような気になっていた。



グループのみんなで同じ塾に通ったり、集団デートをしたり。
最初の頃はみんなと気兼ねなく付き合えるようになったのが一番のメリットに思えていた。





でも、私達がカップルになった直後、みんなの関心がグループ意識から離れ始めた。


私達中学三年生は思春期真っ只中。
やがて恋人関係の発展に意識を向け始めてしまい、固まっていたように思えていた団結力は日に日に薄れ始めて、気付いた時には一組ずつバラバラに行動するように……。




みんなと一緒にいる時は最高潮に盛り上がるのに、理玖と二人きりになると何故か呼吸をするのも遠慮がちになる。
普段は話し上手な彼も、二人きりの時は黙りがちに。