再会してから数ヶ月だけど、理玖と向き合い続けた時間は過去の自分を大きく変えた。


卒業と共に自然消滅した時は、今みたいな楽しい未来を想像してない。
そもそも再会すると思っていなかったし…。



彼の母親に会う事も。
彼の部屋に入る事も。
十七歳の誕生日を一緒に祝ってくれる事も。

寒い日には肩から上着をかけてもらえる事すら思い描けなかった。





今は中学生の頃に交際していた頃とは違う感情が芽生えている。






理玖はすすり泣く愛里紗を見て言葉を失わせたまま。

恋人関係だった中学生当時から今この瞬間まで、愛里紗が自分を想って感情をむき出しにした事がなかったから。