「中一の終わりに翔くんを知る機会があって、中二で初めて同じクラスになったの。実は翔くんに告白したのは、この前で三回目だった」

「…うん」



咲は心にとどめていた胸の内を明かす。
ノグは咲の話を一つたりとも聞き逃さないように集中して、紅茶を一口ゴクリと飲んだ。



咲は中学生だった当時を振り返りながら、現在までの話を包み隠さず話した。



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中学生の頃の翔くんは、本ばかり読んでいて物静かな存在だった。
いつも物思いにふけるように、遠くを眺めながら寂しそうな目をしていた。

無愛想で周りの人とコミュニケーションを図らず、問いかけの返事や必要最低限の話しかしない。


翔くんが人と距離を置こうとする理由は、噂で聞いた両親の離婚にショックを受けた事が原因だと思っていた。



一度目の告白は、中二の秋。
中一の頃に一目惚れから恋が始まっていき、決意を胸に一途な想いを告げた。



『ごめん、忘れられない人がいるから』



翔くんは私に隙を与えず告白を断った。



二度目の告白は、中三の卒業前。
翔くんに諦めがつかず、卒業前に思い残さぬようにと再びアタック。

だけど、彼からの返事は……。



『好きな奴と付き合いたいから』



と言って、感情を揺れ動かす事なく再び告白を断った。