「いまキッチンから飲み物持ってくるから、私服に着替えて待ってて。すぐ戻って来るから」
「あ、うん。ありがと」
咲はそう伝えて、制服のまま二階の階段を駆け下りて行く。
部屋に残された愛里紗は言われた通り、普段着に着替えてから脱いだ制服を畳み、部屋の隅に置いている手提げの中にしまった。
ーーすると、その時。
ゴツッ……
「痛っ…」
愛里紗は制服をしまい終えると、隣の本棚に腕がぶつかり鈍い痛みが走った。
もう私ったら相変わらずドジだなぁ。
愛里紗は腕をさすりながらぶつかった本棚に目線を移すと……。
本棚の中段には、恐らく生後からの写真と思われる大きなアルバムと、幼稚園、小学校、中学校の卒業アルバムがズラリと並んでいた。