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キーン コーン カーン コーン…



「皆さん、おはようございます。今日は五月二十日。このクラスに転校生が来ました。みんな仲良くしてあげてね」

「はっ…、初めまして。江東愛里紗です。よろしくお願いします」



クラスメイトに紹介してくれた担任教師に次いで、頭を下げて自己紹介をした。



今回が初めての転校。
引っ越し理由はマイホームが完成したから。

緊張してガチガチに震えながらも、これから一年間お世話になるみんなの顔を見る為に教室内を軽く見回した。




ーーすると、それは突然訪れた。



私の目線は廊下側の前から三番目に座っている男子に奪われてしまう。



衝撃的…。
彼を見た瞬間、一瞬で胸がトキめいた。



そう…。
転校初日のこの瞬間に恋の落雷が起こった。
これが一目惚れってやつなのかもしれない。


元々惚れっぽいタイプじゃない。
今まで一目惚れした事なんて一度も無かった。

だから、今回が人生で最も衝撃的な出来事に。



彼はすらっとしていてスリム体型。
黒髪で少しくせっ毛。
小さな顔にはっきりした目鼻立ちをしている。




まぁ…。
絵に描いたようなイケメンじゃ、一目惚れしてしまうのは私だけじゃないだろうな。
彼は競争率が高そうだけど、いつかお話できる日が来るかな。



なぁんて、新しい恋に期待をしてぼんやり考えていると、担任教師は私の肩に軽く触れて窓際の方を指差した。



「じゃあ、江東さんは窓側の一番奥の空いてる席ね」

「あ、はい」



緊張と一目惚れで胸がドキドキしながらも、担任の指示通りに新しい座席に着いた。