ケーキのお皿が空になっても、理玖のマシンガントークは止まることを知らない。
お陰で私達もすっかり寛ぎモード。
咲も楽しそうに喋るから、なかなかテスト勉強に戻れない。
「咲ちゃんはどこに住んでるの?」
「三鷹大平町だよ。知ってる?」
「あー、知ってる知ってる!魚の街だろ?すげぇ田舎だけど、駅前は結構拓けてるよな」
「魚の街?何それーっ!」
「漁港があるからって魚の街はないでしょ。それに、案外都会だよ」
最初は口達者な理玖のトークに押され気味だったけど、咲は時間と共に慣れて来たようで。
表情を七変化させながら賑やかに会話を進める二人は、まるで古い友人のように打ち解けている。
学校の話や地元の話。
それに、咲の髪型一つにだって話題を振って褒め上げる。
理玖の惹きつけられるトークに咲の関心が向けられて、この場の雰囲気に馴染んで二人ともすっかり仲良くなった。