ーーあれは、小学六年生当時。

私は毎日温かい光を浴びたくて、彼の香りに胸をトキめかせながら純真無垢な恋をしていた。


光が強く差し込んだ日も。
光が弱くなり始めた時も。

まるでスポットライトを浴びせるかのように、私がいるところだけに強い光を放ってくれた。



でも、遮断されてしまったあの日を境に光は輝きを失った。
それでも光だった影は再び輝きを取り戻す努力を重ねていた。



私が光だった影の行き届かなかった努力を知った時。

既に長年の時が流れていた。



光を失った苦しみが長い時間をかけて緩和していくと、私は立ち上がる決意をした。



暗闇にかき消されてしまった影は、やっぱり苦しかったから……。
ショックで衰弱してしまったあの日から、ずっとずっと待ちくたびれてしまっていたから。

私は影を諦めて、新しく差し込んだ光に希望を託した。

その理由は、私だけを照らしている新しい光は、光のベールで優しく包み込んでくれたから。



どんなに辛くても悲しくても。
新しい光は、ずっと穏やかで一定の強い光を照らし続けていてくれたから。






でも、再び光を弱々しく帯び始めた影は、あの頃みたいに美しく輝く光になる事を待ち望んでいるのかもしれない。