「久しぶりに神社に来たと思ったら、俺の気持ちも知らずに根掘り葉掘り聞きやがって!こっちは散々悩んでいるのに」

「谷崎くん……。ごめん…そーゆー意味じゃ…」
「帰れ!もうこれ以上、お前の話を聞きたくない!」



怒りが冷め止まない翔はクルリと背を向け、翔を怒らせてしまった愛里紗はショックで頭が真っ白に。



どうしよう。
誤解された…。
谷崎くんを怒らせようと思って神社に来た訳じゃないのに。



愛里紗は心のすれ違いによって居た堪れない気持ちになると、泣きべそをかきながら翔の前から立ち去った。




告白どころじゃなかった。

当たり前だ。
自分の事で精一杯だったから、彼の気持ちも考えずに突っ走っていた。


噂話が私の耳にも入ってきたくらいだから、彼はきっと周りの人に同じ事を何度もしつこく言われ続けていたはず。
告白の件は、自分一人だけが知っていた訳ではなかったのに……。


私は彼の気持ちを考えずに、自分が言いたい事ばかりを押し付けていた。




愛里紗は噂を気にするあまり、翔と向き合わなかった日々が心の溝を刻んでしまっていた。