私の考えが甘かった……。
理玖を喜ばそうと思って考え抜いた結果、デートの場所を遊園地にしたのに。
身に危険が及ばない平和な動物園や、気持ちの浮き沈みの少ない無難なショッピングにしておけばよかった。
なんて思いつつ、くらくら目眩がしながら、またもや引きずられるように手を引かれて連れて行かれた先は…。
ななな…何と。
苦手なジェットコースターに相次ぎ、またもや自分が超苦手なお化け屋敷だった。
お化け屋敷を目前にしてショックを受けると、開いた口が塞がらなくなった。
さっきはお化け屋敷よりジェットコースターの方が苦手って思ったけど、本当は同等クラスに苦手なんだけど。
理玖は私がジェットコースターにイヤイヤ乗車してたのを知ってるから、さすがに嫌と言えば空気を察してやめてくれるよね。
理玖はいつも優しいもんね。
そこがいいところだもんね。
愛里紗は、一瞬甘い期待を抱いて理玖の足止めをしようと思ったのだが。
「あのっ…、私ちょっとここは…」
「……またかよ。そのセリフはさっき聞いたからもう無しね」
いつもは優しくて私に甘い理玖だけど、今日はやけに反抗的だ。