ーー翌日、私と谷崎くんの関係は、誤解を招いた形でクラスメイトに知れ渡っていた。

噂があちこちに拡散されていると親友が教えてくれた。


何処を歩いても何をしていても自分達の噂話が耳に入る。
悪気があってもなくても、当人の私達には関係ない。



私達の仲がこんな形でクラスメイトに知れ渡るなんて考えてもいなかった。
それよりも、谷崎くんに迷惑をかけてしまった事の方が気になる。



彼は特に反論もせずに口を噤んでいる。
だけど、周りの人達は冷やかし三昧で彼の心を刺激していく。

更に一学期の上履きの一件も蒸し返され、話はエスカレートしていく一方だった。



犯人は判明してるけど根元だけ断っても仕方ない。
かと言って、一人一人に誤解を解きにいくのも面倒だ。




愛里紗はクラスメイトや翔の事で頭がいっぱいになってしまって、学校で翔と話す勇気が失せてしまった。
次第に二人は過剰に意識してしまい、約束していた神社からはすっかり足が遠退いていた。


すれ違いの日々が続く中、最悪な状態で修学旅行の日を迎える事に。