ーーだが、次の瞬間。
理玖との関係を応援していた頃の咲の言葉がふと蘇った。
『愛里紗と理玖くん、今すっごくイイ感じじゃない?また付き合ってみたら?私、理玖くんとなら応援したいな』
『二人とも波長が合うし、理玖くんカッコいいし。凄くお似合いだと思う』
『理玖くんとなら上手くいくよ!絶対…。理玖くん、愛里紗のおばさんとも仲が良さそうだし、何より愛里紗自身が楽しそう』
『心の中では理玖くんが大事な存在だって気付いたんじゃないかな。それに、理玖くんなら大事にしてくれそうじゃない?理玖くんが愛里紗の彼氏なら安心だし応援したいな』
『付き合ったら少しずつ好きになるかもしれないね。深く考えないで前向きに考えてみたら?特に断る理由がないならね』
『愛里紗のハジメテの相手は理玖くんかもね。なんか、ドキドキしちゃうね』
現実に直面したばかりの今。
あの時は心から恋を応援してくれるものだと思って素直に聞き入れていた言葉が、咲の思惑として跳ね返ってくる。
受け入れ難い現実にブレーキをかけ続けていたけど、我慢は既に限界を迎えていた。