理玖の教室を出た後、体育館で開催されているエコファッションショーを見に行った。


エコファッションショーとは、家庭部の企画で手作り衣装にリサイクル素材を一つ以上プラスした装飾衣装を着て行うファッションショーだとか。

限りある資源を大切に扱おうというテーマで毎年行われてるらしい。



一見レースに見える素材は、実は使い古した網戸だったり。

フリンジに見えるものが、実は包装紙を包んでいたリボンだったり。

一見レザー素材に見えるものは、実は牛乳パックをくしゃくしゃにしたもので、茶色の水性塗料に染色して繋ぎ合わせたものだったり。



斬新なアイデアとデザインに驚かされたけど、司会者からエコ素材の説明が加わる度に、意外なアイテムの使い道に会場内はドッと湧いた。



理玖はファッションショーの最中にそわそわした様子で何度も腕時計を見ていた。
それを横目で見ていたので、やけに時間を気にしているな~なんて思ったりして。


モデルがステージに横並びになりファッションショーがフィナーレを迎えて目が釘付けになっていた、その時。



「行こう」



理玖はそう言って私の手をギュッと握りしめてきた。
びっくりして理玖へと目を向ける。



「えっ、何処に…?」

「特別な場所があるから見せてあげる」



理玖は愛里紗の手を引き体育館から飛び出して校舎へと向かった。