「あのぉ……、どこの高校の方ですかぁ?うちの学校の制服じゃないみたいなんですけど」
翔が三人組に目を向けると、彼女達はキャアと言った感じで互いの顔を見合わせる。
彼女達の見た目は明らかにギャル。
二人は金髪で一人は茶髪。
三人とも同じようなメイクをしてるから、俺からすると一卵性の三つ子と勘違いするくらい見分けがつかない。
唯一違うのは髪型くらい。
すると、エンジンがかかり始めたように二人目三人目は目をキラキラと輝かせながら質問を始めた。
だが、翔は三人の瞳の奥を覗いてみると、獲物に食らいつくハンターのように欲まみれに見えた。
怖くなって身震いすると、関わってはいけないと心に誓った。
「誰かと待ち合わせですかぁ?…もしかして、彼女とか」
「もしお暇でしたら今から私達と一緒にお茶でもどうですか?」
一見可愛らしく装う三人組は俺を取り囲んで擦り寄るようにお茶を誘ってくるが、勿論こんなところで逆ナンされてる暇ではない。
これから理玖という奴に愛里紗について聞きたい事が山ほどある。
だから、俺は…。
「ごめん、今は人を待ってるし忙しいから」
いつも通りに眉一つ動かさずに三人組の誘いを断った。
大抵の人は冷たい態度であしらわれたら諦めてその場を去っていくのだが…。
今日はたまたま運と相手が悪かった。