「何度も人の胸ぐら掴んでんじゃねーよ。…あんたは愛里紗の知り合いなの?…ってか、何で愛里紗と付き合ってる事を知ってんの?……一つ言わせてもらうなら、俺は他の女になんてちょっかい出してねぇし」



理玖にとって愛里紗の名前は起爆剤だった。


中学校の卒業を機に自然消滅した後、愛里紗を忘れる為に色んな女性と交際したが、代わりが利かない恋に満たされる事はなく、いつしか再び愛里紗の影を追いかけている事に気付かされた。

久々に再会した瞬間、恋心は失っていないと思い知らされる事に。



だから、今度こそは失敗を繰り返さぬように反省を生かしつつ、復縁に結び付くようにゆっくり時間をかけて再び距離を縮めた。

結果、積み重ねた努力が実を結んで念願が叶って恋人に。


理玖にとって二度目の交際は、慎重且つ宝物のように大切にするあまり他人に触れて欲しくない。