約一年半ぶりに入った理玖の部屋は、アメリカンポップ調のド派手な装飾のまま。
理玖は昔から海外に憧れていて、外国風のインテリアをちょくちょく探していた。



彼の父親は自宅の一画でアンティーク家具店を経営している。
オシャレで個性的な部屋作りは、少なからず父親に影響されている。



壁にはライトで点数が表示されるダーツや、英字のカラフルなナンバープレートや、外国人の顔のイラストが入ったタペストリーが何枚か貼ってある。

床には英字のシールが貼られている赤いドラム缶のゴミ箱や、イギリス国旗の入ったクッション。

古いアメ車のブリキのオモチャが数台木目調の棚の上に飾られていて、生活感が出てしまうテレビのフレーム部分には、木目調のシールを貼り付けてしまうほど、インテリアにこだわっている。



あー、コレコレ!
懐かしい〜。
机の横に置いてある、腰よりちょっと高めの縦型の信号機の事をよく覚えてる。


あれは、みんなで理玖の家におしかけていた時。
友達とふざけ合っていた私がこの信号機のコンセントに足を引っ掛けて倒したら、理玖は顔面蒼白になりながら、『買ったばかりなのに壊すなよ』って、叱っていたっけ。



あの当時は、理玖の部屋を物珍しく感じていたけど、今はその当時よりもアイテムが増えていてド派手さが倍増していた。



あー、もう一つ思い出した。
部屋があまりにも派手だから、仲間内での理玖のあだ名は《大統領》だったわ。