ーー塾の夏期講習が終了してから二日後。

空にはまだ夏の入道雲が残る中、いよいよ新学期の二学期がスタートした。


久しぶりに制服を着て少し懐かしい教室の香りを無意識に嗅ぐ。
一学期最後の自分の席が何処だったか忘れてしまい、記憶を遡りながら席を探した。

久々に会うクラスメイトは、夏休み中の話題で盛り上がっている。



肌がこんがり日焼けした子。
彼氏が出来たと大盛り上がりしてる女子。
急に派手な装いになって雰囲気が変わった男子。

中には、人に夏休みの宿題を借りてノートに書き写している人もいた。



必死に宿題を書き写している人を上から目線で見ていたけど、実は自分自身も昨日宿題を終えたばかり。

寝る間を惜しんで頑張った。
高二にもなって、母にウンと叱られ渋々夜食も出してもらった。



人それぞれの夏休みがあったんだなぁと思いながら、ようやく探し当てた自分の席に着く。