ーー今朝は布団に潜り込んでいても肌寒く感じて、アラームより先に目が覚めた。

窓辺からはひんやりと冷気が漏れている。
弱々しい光が差し込んでいるカーテンを両手で思いっきり開くと…。

まるで小さくちぎったわたあめのような純白なボタン雪が、空からふわりふわりと舞い降りていた。



「うわぁぁ……。雪」



ひとり言が自然と溢れるくらい、街の雪化粧は幼心を騒ぎ立てた。



それもそのはず。
去年まで暮らしていた地域では、年に数回程度しか降雪しなかった。
しかも、街が銀世界に様変わりするほどの大雪に見舞われたのは、何年ぶりの事だろう。

だから、真冬にしか姿を見せない貴重な雪が特別に思えて嬉しかった。



昨晩のニュースでお天気お姉さんが言ってた。

明け方から雪がチラつくから、通勤通学の足に影響を及ぼすって。
足元が滑りやすいから怪我に注意するようにって。



実は、今日は特別な日。
更に空からは素敵なプレゼント。
最高の一日になる予感がしてならない。



外は身が凍る寒さで眠くはあったが、始業式の今日は早く学校に行きたくて仕方がなかった。