咲は愛里紗の目の前でガバッと両手を大きく広げて行く手を阻んだ。



「…待って!私の話を最後まで聞いて」



だが、愛里紗は瞳に涙を潤ませながら一向に諦めようとしない咲を睨みつけた。



「話なんてもうないから」



キッパリと冷淡に遇らうと、咲の手をパシッと払い退けて先を進んだ。




愛里紗は三人組から擁護はしたが、衝撃の事実を激白したあの日から腸が煮えくり返っていた。


一方の咲は、今回ばかりは諦められない。
普段なら冷たい態度であしらわれた瞬間、いま以上嫌われないように諦めをつけていたのだが、今日は違う。

引き止めた手を振り払われても、右腕で涙をぬぐいながら愛里紗の後を追いかけている。



「今日はどうしても目を見ながら話がしたいの。親友は愛里紗じゃなきゃダメ。私を想ってくれる友達は愛里紗しかいないの。一日でも早く仲直りしたいよ…」



咲は諦めの気持ちを捨てて食らい付く。
だが、愛里紗は咲の言葉を聞き入れようとしない。