ーー塾は午前中で終了。

理玖は自宅に電話した後、ファーストフード店で愛里紗と一緒にお昼ご飯を済ませる。

二人はハンバーガーを片手に昔話。
途切れる事のない会話は、まるで時計の針が中学生当時に戻ったような感覚に陥り、懐かしさと嬉しさで自然と笑みがこぼれた。

ファーストフード店を後にすると、そのまま歩いて理玖の自宅へと向かう。





理玖は家のインターフォンを鳴らした後、勢いよく開いた扉の奥からは、懐かしい笑顔が愛里紗を出迎えてくれた。



「まぁ〜、愛里紗ちゃん。久しぶり!」

「おばさん、会いたかったよ〜!」



理玖のおばさんとは、まるで昔からの親友のようにお互い手をギュッと両手で握り合い、キラキラと目を輝かせた。



「まぁ、見ないうちにこんなに美人さんになって。いつもうちのバカ息子が迷惑かけてゴメンね〜」

「だろ〜。俺の愛里紗はいつもかわいいんだよ。…って言うか、息子にバカはないだろバカは。ホントに俺の母親かよ!」



「ほらほら。立ち話もなんだから早く上がって」

「はーい。お邪魔しまーす」

「俺の話は無視かよ…」



おばさんは玄関の向こうから手で招いてきたので、そのまま誘導されるように玄関に上がった。

昔からずっとこんな感じだった。
一年ちょっと経っても、全く変わっていない。