お化け屋敷の中に入ってから15秒も経たないうちに、通路の右脇から耳を塞ぎたくなるほどの爆音がした。



バーン!!(音と共に急にお化けが右脇から出てきた音)


「ぎええぇぇ……!」

「うおっ……。いきなりキター」



突然、右脇からお化けが出てきた姿を目の当たりにすると、驚きのあまり二人同時に身体を反らせた。



「やだ~、何?いま出てきたばかりのあのお化け、驚かす気満々じゃん。何で頭に包丁が刺さってるの?普通に料理してたら頭に包丁が刺さらないでしょ。

それとも、誰かに恨まれて包丁で刺されたとか?

私が言うのも何だけど、人に嫌な事や悪い事をするから怨みを買って刺されたりするんだよ。ひょっとしたら、刺される原因は自業自得かもしれないよ。



それとも、まさか……。思い切って自分で刺しちゃったとか?結構大胆なんだね。

だとしたら、どうしてお化けとして生まれ変わったのかな。……刺し処が悪かったせい?
それとも、この世に何か思い残す事があったの?


もしそうだとしたら、めちゃくちゃ他人に迷惑かけてるじゃん。逆に驚かせちゃった人々に謝ってよぉ……」

「……あのさぁ。さっきからお前の心の声がダダ漏れなんだけど」


「えっ、心の声が聞こえてた?」

「口に出してりゃ誰にでも聞こえるだろ…」



途中理玖に突っ込まれながらも一緒に先へ進むと。




「う゛ああぁぁぁ………」(井戸から白い着物を着た長い髪がボサボサのお化けが出てきた時の叫び声)


「ぎゃああぁぁ………」

「すっげぇ、顔に流れてる血とかめっちゃリアル」



再び恐怖が襲いかかり顔面蒼白になった私は、彼の腕にガシッとしがみついた。