谷崎くんに告白…。
私にもできかな。
そんな勇気いまは持ち合わせているのかな。


でも、いま気持ちを伝えないと、何故か私達の関係がダメになってしまうような気がしてならない。
ミクに谷崎くんを取られたくないと思っていたから少し気焦りしていた。



神社まで靴が脱げそうなほどの勢いで走った。
心臓がバクバクと鼓動を打ち、神社に到着してから深呼吸を繰り返して乱れた呼吸を整えてもなかなか落ち着かない。



告白を決意した愛里紗は、鳥居の前で恐怖と不安と戦いながらソワソワしていると…。
神社の角からポケットに手を突っ込みながら俯き加減で渋い顔をしている翔がやって来た。

翔が一歩一歩近付いてくる度に、緊張で震えている愛里紗の身体は落ち着きを取り戻せなくなる。



どうしよう……。
谷崎くん、もう神社に到着しちゃったよ。
こんなにすぐ来ると思わなかったから、まだ心の準備が…。



今更だけど逃げちゃう?
谷崎くんに見つからなければ、告白は引き返せるかも。


ううん、ダメ……。
いま逃げたら後悔する。
谷崎くんとしっかり向き合って話し合わないと、心にしこりが残ったままになってしまう。



愛里紗は心の中で葛藤を繰り返してオロオロしていると、向こうから接近してくる翔とバッチリ目が合った。