この部屋に居る三人の中で部屋の主は私だけ。
………のはずが。

理玖はまるで自分の部屋に招待するかのように、学習机のイスから取った座布団をセンターテーブル前に立つ咲の前に敷く。



「…さ、咲ちゃん。汚い部屋だけど遠慮なく座って」

「あっ……あ、うん。座布団ありがとう」

「汚い部屋ってどーゆー意味よ…」



少し遠慮がちに座布団に座る咲も動揺が隠せない。



中学三年生の頃に交際していた理玖。
一年の頃から何度も家に泊まりに来ている咲。
二人とも家に遊びに来ている回数はそんなに変わらないはずなのに…。


何故か我が物顔の理玖と。
何故かよそよそしい咲。


二人は大事な友達には変わりないし、同等のはずなのに。
何故……。