自分でもびっくりした。
大量に沸き立つ涙が一体何を意味しているのか分からない。
涙を我慢しようと思っても止められない。



理玖が日本からいなくなってしまうと思ったら。
もう、気軽に会えなくなってしまうと思ったら……。

いつしか深い悲しみに飲み込まれていた。



「あり…さ……?」



理玖は私が泣くなんて思っていなかっただろう。
自分でもこんな感情が眠ってたなんて知らなかった。


『勉強頑張って』とか、『塾で会えなくなるのが残念だね』とか言って、気持ちよく送り出せるものだと思っていた。



でも、実際は醜い感情ばかり。
イギリスに行って欲しくないなんて…。

今のままだと将来を応援するどころか、自分の一方的な感情を押し付けてしまう。