夕飯を済ませてからお風呂に入り、恋話で盛り上がってから、寝る為に照明を落とし、咲と二人で同じ布団に潜り込んでから約一時間。




目を閉じても…。

寝返りを打っても……。

羊の数を数えても………。



全っ然眠れないわ!!




昼間のキス未遂事件があまりにも刺激的で脳裏に焼き付いてしまったせいか、興奮してなかなか寝付けない。

咲は私が昼間に刺激的なひと時を過ごしていたなんて知るはずもなく、隣でスヤスヤと眠っている。



それでも何とか寝ようと思って暫くぼんやりしてたけど……。



『じゃあ、プレゼントのお礼はキスでいいよ』



理玖が言った言葉を思い出してしまった途端、ぼんやりしていた目がパッチリと覚めた。



理玖の唇が10センチ手前まで近付き、息が唇に触れた瞬間、胸がドキドキして破裂しそうだった。

あの時は冗談って言ってたけど、本当に冗談だったのかな…。
冗談にしてはレベルが高過ぎる。

私達はもうとっくに別れてるし…。
それともあれは、いつものチャラ理玖だったかな。




色々考えていたら再び思い出してしまった。

中学校生活の最後を迎えたあの日、学校の屋上手前の階段でファーストキスをした時の事を………。