公爵閣下、わたしたちの契約結婚は終了を迎えるのですね。わたしは余命わずかですが、あなたがほんとうに愛する人としあわせになれますよう心よりお祈り申し上げます

ファンタジー

ぽんた/著
公爵閣下、わたしたちの契約結婚は終了を迎えるのですね。わたしは余命わずかですが、あなたがほんとうに愛する人としあわせになれますよう心よりお祈り申し上げます
作品番号
1676849
最終更新
2022/09/17
総文字数
66,918
ページ数
35ページ
ステータス
完結
PV数
134,815
いいね数
53
ランクイン履歴

ファンタジー29位(2022/09/07)

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ファンタジー29位(2022/09/07)

「ユイ。来月、結婚前にに約束した契約期間を終了しようと思う。すでに王家には了承を得ている。来月には、あたらしい婚約者を迎える手続きが必要になる。というわけで、きみもこれからの人生をあたらしいパートナーとすごすもよし、一人を満喫するもよし、とにかく好きにやってくれ。おたがい、それぞれの人生でしあわせになる。おれたちの結婚は、しょせん親どうしが決めた「幼馴染婚」ってやつだ。おれたちの間には幼い頃からの情みたいなものはあっても、愛はなかった。おれもきみも、来月から自由だ。いいね?おいおい、そんなに笑顔にならないでくれ。なんだって?おれも笑顔だって?おかしいなぁ。一応、神妙な表情にしているつもりなのに」


この日、夫であるアントニー・パウエル公爵から離縁を告げられた。もともと契約結婚だった。彼には愛する女性がいることも知っている。
何もかもわかっていた。覚悟をしていたはずが、その覚悟が足りなかったみたい。
いままで自分の気持ちをごまかしていたけれど、ごまかしようがなくなっている。
しかし、もうどうしようもない。
いずれにせよ、わたしには時間がない。残された命の時間が。
それだったら、命ある限り病を抱えている彼をどうにかしてあげたい。
彼と彼の愛する女性がしあわせになるよう、祈り続けたい。
この日、そう心に誓った。
あらすじ
契約結婚でいつか終わりがくることはわかっていた。わかっていたけれども、その日を前にしたらたまらなく夫を失いたくない気持ちが募る。しかし、わたしには命の時間もない。だったら残された時間、彼と彼の愛する女性のしあわせを祈ろう。

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