榊原蓮華草さんの作品一覧

嘘つきと疫病神

総文字数/197,176

歴史・時代152ページ

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あの暑い夏の日。 私は生きるために町に出た。 食べる物、着る物、飲む物。 何も持っていない私に与えられた選択肢は、 “盗む”ことだけ。 でも、無理して生きようとは思っていなかった。 理由がない。 希望がない。 夢がない。 だから、死ぬなら何処でも良かった。 『お前、どうしてあの時逃げなかった』 けれど、 貴方が逃げ道を塞いでくれたのだ。 嘘つきな貴方は、 不器用なのに優しくしてくれる。 『まだ生きたいって思っちゃった』 疫病神だと虐げられる私は、 貴方の嘘から生まれた優しさに生かされた。 だから私は、 貴方の隣で、 同じ明日を夢見て、 一緒に生きていきたかったの。 写真機を覗く貴方の顔は、 いつだって笑顔に満ちていて。 失敗作にしか見えない写真を、 擦り切れても大切にしていて。 ずっと、想ってくれていたのに。 ずっと、見てくれていたのに。 私が貴方の本心を知るのは、 貴方を失ってからだった。 榊原の処女作です。 物凄く拙い文章ですが、温かい目で読んでいただけるとありがたいです。 ちらほら改稿はしています。
荒廃した世界で、君と非道を歩む

総文字数/129,513

恋愛(その他)105ページ

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夜が来るのもの、 朝が来るのも、 全部嫌いだった。 ───こんな世界無くなればいい。 いつからかそう思うようになって。 そんな時に目の前に現れたのは、 現在、街を脅かしている、 指名手配中の連続猟奇殺人鬼。 『ねえ、私を連れて行って』 頭がイカれていた。 自分でも分かっている。 でも、 そんなイカれた私を作ったのも、 非道に手を染めた最低なあんたを作ったのも、 全部、この荒廃した世界だ。 『俺は、いい名前だと思うぜ』 ん? いやいや。 違う。 おかしいって。 『怖くなったからって、逃げるなよ』 何、なんなのこれ。 なんなの、この気持ち。 『次は何処に行く?』 『また遠くへ。気分に任せて行こうぜ』 私達は、死に場所を探す旅をする。 その先に、どんな地獄が待っていても。 荒廃した世界でもいい。 腐った世界でもいい。 ただ、私は、 この荒廃した世界で君と非道を歩む。
想いと共に花と散る

総文字数/538,026

歴史・時代587ページ

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桜舞う 貴方の頬に触れた時 私は気付く 貴方の隣が私の居場所だったと 荒くれ者でも、 農民の出でも、 皆から嫌われていても、 私にとって貴方達は、 太陽よりも眩しい“誠”だった。 『……楽になりたい』 希望も、夢も何も持たない少女が一人。 『俺はなぁ、てめぇみたいな顔をしてる奴が一番嫌いなんだ』 刀の切っ先を向けて、 ぶっきらぼうに吐き捨てられる言葉の裏には、 いつも優しさがあった。 『変わってしまったら、全部思い出せなくなる。 だから、ずっと変わらないでいてほしいって……そう思っているんだよ』 叶うならば、ずっと変わらないでいてほしかった。 でも、時間は進む。 時代という荒波に飲まれて、何度も大切なものを失う。 『新撰組が私の居場所です』 居場所を与えてくれた。 生きる理由を教えてくれた。 生きたいと思わせてくれた。 貴方達に出会ったから、私は生きている。 この想いの名前は分からない。 それでもいつか散ってしまうのなら、 私は、 この想いと共に花と散る。 初めて歴史ものを書くので所々おかしな部分があるかもしれません。 できるだけ忠実に書き進めていこうとは思っていますが、温かい心で読んでいただけるとありがたいです。 あくまでも作者の主観を含めていることもご周知の上で。 ※流血描写、残酷表現
雨は嫌いですか、私は好きです

総文字数/129,566

恋愛(学園)136ページ

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これは、雨が降る放課後でだけ許される恋。 しとしとと、降り続ける雨。 昇降口を出て傘をさすと、 いつもいる。 『ちょっくら入れてくんね?』 クラスで人気者のムードメーカーの彼は、 どういうわけか、私を待ち伏せするのです。 それも、 雨が降る放課後に限って。 ☂ 『……貸して』 背が低くて、前髪が長くて、眼鏡を掛けていて。 地味子、という言葉から生まれたような私には、 貴方は眩しすぎる。 雨雲の隙間から差し込む光、 それは貴方なのかも。 『ここ、俺の特等席だから』 『他の人なんて、絶対に入れないで』 貴方はずるい。 ずるすぎる。 ☂ 初めは、申し訳なさそうに。 二回目は、ちょっと強引に。 三回目は、味を占めたように。 そして四回目からは、 ———……隣りにいるのが当たり前になるのです。
根暗な貴方は私の光

総文字数/89,779

歴史・時代93ページ

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花が咲いた。 暗闇に一輪の花が。 その花は道標であり、 同時に貴方への想いでもあった。 『このまま、二人で逃げ出さない?』 冗談にしては、本気すぎて。 本気にしては、馬鹿げていて。 『もう、独りじゃないですから』 一緒に逃げてはくれないのに、 貴方は隣りにい続けようとしてくれた。 私は、あの子達とは違う。 恋を知らずに生きてきて。 愛を失って生きてきて。 知らないことばかりで。 知りたいことばかりで。 何だって知っていけるあの子達とは、 同じになれなかった。 でも、貴方はそれでいいと言う。 『繁栄だ』 貴方にそんなことを言わせる世界が。 『俺は、貴方のことが____』 貴方にそんな顔をさせる世界が。 『ああ、幸せだなあ……。ずっと、こうしたかったの』 一瞬だけでも夢を見させた世界が、 憎くて、 それでいて、 愛おしかった。
ポンコツ執事なのに、お嬢様に溺愛される

総文字数/4,604

恋愛(ピュア)7ページ

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こんなはずじゃなかったんです。 『今日から、私の娘の執事として働いてもらう』 『……はいぃ!?』 ただの地味な大学生だったんです。 格ゲーが好きな、ただのオタクだったんです。 『あんたが私の執事? 有り得ないんだけど』 ですよね。そうですよね。 僕だってそう思います。 だって、雇われた先は、 世界中の金融を牛耳る、白銀の王座。 白鷺財閥。 その超超有名な大豪邸に住み込みで働くなんて、 何処のファンタジーですかって話ですよ。 『ちょっと、私の目を見て話しなさいよ』 それは無理です。 漫画の世界から出てきたような美少女を前に、 まともになんてなれるわけが。 『あのー、お嬢様……? 何故、僕が髪を梳かれているんでしょう』 『細かいことは気にしない気にしない』 気にしないと、貴方の父親に僕が叱られるんです。 『私……そんなに魅力ない?』 ……そんなわけないでしょう。 貴方は、この世界の誰よりも───。 『こんっっっっっの! ポンコツ馬鹿あああああ!』 いや、なんで!!!??? 家事、駄目。 性格、内気。 自己肯定感、奈落の底。 そんな僕が、一人のお嬢様に仕える変なお話。
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