あの日、青い海に君を置いてきた~「大丈夫」の先で君を失った。だから私は、今日も止める~

青春・友情

あの日、青い海に君を置いてきた~「大丈夫」の先で君を失った。だから私は、今日も止める~
作品番号
1790014
最終更新
2026/09/05
総文字数
32,340
ページ数
25ページ
ステータス
未完結
PV数
80
いいね数
0
「これくらい、大丈夫」

その言葉を聞くと、養護教諭・安川アンナは立ち止まる。

雷が近づけば部活動を止める。
猛暑ならプール授業を止める。
「大げさだ」「安全にうるさい」と煙たがられても、アンナは譲らない。

なぜなら彼女は知っている。
「大丈夫」の先で、人が死ぬことがあると。

保健室には、大きな音や大人数が苦手な中二のナオと、身体の性に違和感を抱き、男子として生きたいと願う中一のヒカルがいる。
二人にとってアンナは、自分を否定せず、そのまま受け止めてくれる特別な先生だった。
けれどアンナにも、誰にも消せない傷がある。

三十五年前。
大学一年生だったアンナは、ヨット部で一つ年上の主将・航平と出会った。
厳しく、誰よりも安全にうるさい人だった。

「根性と無謀は違う」
「生きて帰るところまでが練習だ」

初めは怖かった先輩が、いつしか大切な人になる。
ずっと一緒に海を見られると思っていた。
しかし大学二年の春、海が荒れた。
アンナは救助された。

航平は、帰ってこなかった。
翌日、冷たくなった彼の手を握り、アンナは初めて告げる。
「好きです」
それが最初で最後の告白だった。

あの日からアンナは、航平に教わったことを胸に、生徒たちの命を守り続けている。
そしてナオとヒカルも、アンナに守られながら、少しずつ自分の人生を歩き始める。

守るとは、ずっとそばに置くことではない。
いつか、自分の足で歩けるように送り出すこと。

最愛の人を青い海に置いてきたアンナもまた、三十五年前の自分を迎えに行く。
最愛の人を失ったアンナが、誰かの明日のために生きる物語。
あらすじ
安全にうるさい養護教諭・アンナには、誰にも言えない過去がある。大学時代、ヨット部の練習中に遭難した彼女は、荒海で大切な人と手を取り合った。時は流れ、アンナは保健室に集う生徒たちを守る先生に。過去と現在が交差する、命と再生の物語。

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