「で、土日は?」 ヒカルが聞いた。 「毎週、海?」 「ほぼね」 アンナは、壁に飾られたヨットの写真を見た。 「土日は、艇庫で合宿だった」 「艇庫?」 ナオが首をかしげる。 「ヨットを置いておく建物」 「そこで寝るの?」 「寝るよ。寝袋で」 「えー」 ナオが露骨に顔をしかめた。 「絶対いや」 「あのころの私も、最初はそう思った」 アンナは笑う。 「でもね。いつの間にか、第二の家みたいになったの」 そして、アンナは少し遠くを見た。 ◇◇◇