月陰伝(一)
ファンタジー
完
3
凛音華娜子/著
- 作品番号
- 869161
- 最終更新
- 2013/07/10
- 総文字数
- 195,759
- ページ数
- 149ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 239,349
- いいね数
- 3
その決意をしたのは、母の言葉が原因だった。
『再婚が決まったわ。
あなたは出ていってちょうだい』
まるで、寄生男に宣言するように言い放たれた言葉は、当然のように娘である私に向けられていた。
『住む世界が違うのだ』
そう言って抱き締めてくれたのは、養父とさえ言える人……人ではない者だった。
私は『精霊使い』と呼ばれる存在。
人とは違う世界が見える者。
ともすれば、人の枠から逸脱する能力者。
唯一の親とさえ、同じ物を見ることができない。
早くに亡くなった父も同じ能力者であったけれど、その力の差から、ついに真に分かりあうことはできなかった。
。
それ故に、共に暮らしていても、親子と言う関係を知る事なく私は育った。
どれだけ無視されたとしても、何とも思えなかった。
幼い頃から、母とは違うのだと理解する事ができたから。
この能力に、母と父の畏怖と嫌悪が向けられているのだとなんとなく分かっていたから。
だからこの道を選んだ。
いや、これはもはや必然と言えた。
そう、私は……。
『人とは違う者達と生きる』
…そう決めたのだ…。
『再婚が決まったわ。
あなたは出ていってちょうだい』
まるで、寄生男に宣言するように言い放たれた言葉は、当然のように娘である私に向けられていた。
『住む世界が違うのだ』
そう言って抱き締めてくれたのは、養父とさえ言える人……人ではない者だった。
私は『精霊使い』と呼ばれる存在。
人とは違う世界が見える者。
ともすれば、人の枠から逸脱する能力者。
唯一の親とさえ、同じ物を見ることができない。
早くに亡くなった父も同じ能力者であったけれど、その力の差から、ついに真に分かりあうことはできなかった。
。
それ故に、共に暮らしていても、親子と言う関係を知る事なく私は育った。
どれだけ無視されたとしても、何とも思えなかった。
幼い頃から、母とは違うのだと理解する事ができたから。
この能力に、母と父の畏怖と嫌悪が向けられているのだとなんとなく分かっていたから。
だからこの道を選んだ。
いや、これはもはや必然と言えた。
そう、私は……。
『人とは違う者達と生きる』
…そう決めたのだ…。
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