はじめまして、好きです。

恋愛(学園)

はじめまして、好きです。
作品番号
1756688
最終更新
2025/07/28
総文字数
10,177
ページ数
11ページ
ステータス
未完結
PV数
148
いいね数
6
『はじめまして、好きです。』

――出会いは、名前よりも「好き」が先だった。

高校2年の春。
新学期、教室のドアが開いた瞬間、彼は現れた。

「――はじめまして、好きです。」

黒板の前で自己紹介もせずに、まっすぐ私の方を見て言ったのは、転校生・九条颯真(くじょう そうま)。
クールで無表情、だけどどこか真っ直ぐすぎて怖い目をしていた。

告白されたその瞬間から、彼は私の隣の席に座り、毎日「好き」と言ってくる。
私が無視しても、拒絶しても、彼はまるで止まった時計の針を無理やり動かすように、何度も何度も、言葉を重ねてくる。

だけど――私は、恋なんて信じない。

過去に、信じて、傷ついて、壊れた。
だからもう、男なんて、恋愛なんて、いらないって決めたのに。

「君のこと、ちゃんと知りたい。嫌われても、俺はやめない。」

しつこくて、意味わかんなくて、でもどこか苦しそうに笑う彼の“好き”に、私は少しずつ心を揺らされていく。

これは、恋を信じなくなった私と、名前より先に“好き”を伝えてきた君の、めちゃくちゃ不器用で真っ直ぐなラブストーリー。

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