全てあなたに捧げるために

恋愛(その他)

全てあなたに捧げるために
作品番号
1789176
最終更新
2026/08/14
総文字数
15,603
ページ数
24ページ
ステータス
未完結
PV数
24
いいね数
0



「翠、俺が幸せになるために『契約結婚』の相手をしてくんない?」

─そう、主である桐生透雅様に言われ、翠は頷く。

『全ては、主様のために』

祖父母からの教えに従い、今日もあなたに。


☆。.:*・゜


水無瀬翠(Minase Sui)

×

桐生透雅(Kiryu Touga)


☆。.:*・゜


あなたの為なら、何でも捧げます。
それが、それだけが、私の存在意義だから。

「欲しいものないの、翠」

「欲しいもの、ですか?」

「うん」

「……特には」

欲しがることはやめた。
無くした時に、悲しくて仕方がないから。

「それで、つまらなくないのか」

─私欲を持ってはいけないの。
執事は、主の欲を叶える存在なのだから。

「そんなことは」

大切なものがある人達が、羨ましかった。

殴られず、怒鳴られず、頑張ったねと抱きしめて欲しかった幼い頃。

泣き喚いても許されず、目の前で壊れていく。

それなら最初からいらないと、諦めた。

灰色の世界。やるべきことをやるだけだ。
何もいらない。だって、壊れてしまうから。
─そんな時、彼に出会った。

私の全てを捧げる光。主人。彼が全て。
圧倒的な光、私の世界を照らした貴方。

「─翠、ほら、口を開けて」

大人しく従う。
─口に入れられたのは、甘いチョコレート。

「お前好きだろ?」

そう言って笑うあなた。
何でもするから、そばにおいて。
そばにいさせて。─不相応な願いを、胸に。

「……はい、すごく」

……私はずっと、あなたの執事でいたいの。


☆。.:*・゜


短編予定です。
あらすじ
執事の家に生まれた翠(スイ)の仕える相手は、桐生家嫡男の透雅(トウガ)様。両親と引き離され、祖父母から厳しい教育を受けて心を殺した翠はある日、透雅に”契約結婚”を持ちかけられて─……?

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