君の手が動く限り、俺は隣にいたいから

絵を描くことは嫌いだ。



基礎も、知識も、経験もない。




高校でも美術の成績は悪いまま。



けれど、

放課後の美術室で絵を描く時間は、どうしてか苦痛じゃなくて。



たった一枚の絵を書き上げるのに何日も描けることが、

いつからか日課になっていた。




やっぱり、俺には“見る目”があったらしい。



あの日、初めて君が描いた青空を見た時、
俺は変えられた。



何の楽しみを持たず、日々を適当に生きていた俺に、



生きる意味をくれた。




なあ、
俺は絵を描けなくなる君の気持ちを理解することはできない。


俺は君じゃないから。



だから、
俺のこの手が動く限り、君が思い描く青空を俺のものにして、



何度だって描く。




そしていつか、

その一枚の中にある青空の上に行けることを──願ってるよ。