「なあ」
彼は言った。
「俺と一緒に、逃げよう」
満月の夜に現れた貴方は、
「また、夢に現れてくれますか?」
「ああ。…月を、道しるべにして」
まるで、月から来た盗人。
そんな彼は、
「ジロジロ見るなよ」
息を忘れる程に美しい、瑠璃色の瞳をしていた。
「私ばっかり現実逃避しちゃ駄目なんです」
理想と現実のギャップに苦しむ少女
玉森 知世
×
「お前は、誰よりも幸せになる権利があるんだよ」
人生でたった1つの罪を犯した男
西之園 蓮弥
「お前の一ヶ月、俺にくれない?」
これは、私と彼が織り成した、
一ヶ月間の逃避行物語。