「この子と同じ学校にかよっている子いませんか?」
誰も手を挙げない。
「はい!!!同じ塾ですけど…知り…友達です!」
先生といっしょに姫羅莉ちゃんを持ち上げてこの学校の保健室まで運んだ。幸い、試験で使った部屋は保健室と同じ階にあるから、階段を使う必要はなかった。
「試験後、この子が倒れました。」
先生が状況を保健室の先生に説明している間、わたしは気を失っている姫羅莉ちゃんの顔をのぞき込んだ。
絶縁されたにも関わらず、わたしは友達だと思っている。だからかな…姫羅莉ちゃんは心配で心配で泣きそうだ。
「ピーとしますねー」
「あら、微熱があるみたい。試験のストレスだろう」と保健室の先生がわたしたちに説明した。よくあるもんみたい。
それから先生はお礼を言って保健室を出て、わたしは姫羅莉ちゃんの親が来るまで一緒にいてあげることにした。
「ちょっと倉庫からもの取り出してくるけど友達の様子みてあげてくれるかな?」
「はい!」
そう言い残して、保健室の先生は部屋を出た。
わたしは姫羅莉ちゃんの方を振り向いた。
やはり仲直りしたい。でも…何を言ったらいいんだろう…
「そうだ!」
私はバッグを漁って、中からスマホを取り出した。
「竹氏!!!ちょっと…そうだんにのってくれるかな?」
「雲っ子!!!もちろん!なんだろうね?」
竹氏に状況を説明して、色々アドバイスをもらっていたら…
「あ…頭痛っ…」
ギクッ
「あ!姫羅莉ちゃん、大丈夫?」
「小春ちゃん!?」
姫羅莉ちゃんはいきなり顔面蒼白。
「わたし、試験中倒れたの?!」
「ううん、ちゃんと最後まで書き切れたよ。」
「よかったー!!」
「良くないよ!!姫羅莉ちゃんになにかあったらどうする!!」
咄嗟に出た言葉だった。自分でも驚いた。
そうだ、ここだ!!
「姫羅莉ちゃん、ごめんなさい!!人工知能を使って絵を描いているわけではありません。私の説明不足だった。あくまで絵を描く前に教科書みたいにテクニックを学んだり、誰にも見せることのない作品を見せて褒めたりもらっているだけ。それでも、私の説明不足で姫羅莉ちゃんに不快な思いを捺せて申し訳ない!」
「わたしこそ…ご、ごめん…あの小春ちゃん?」
姫羅莉ちゃんは下を向いて、保健室のベッドのシーツを握りしめた。
「無視しててごめんね…あの…春子ちゃんの絵の方がうまくて病んだから。どうしても受かりたいと思いすぎて追い込められたから。その…人工知能が描いたんじゃない!とのことは後であのゲームを調べたらわかってきたけど…その、あの…」
姫羅莉ちゃんはまだ体調が悪いのか言葉はどうしてもうまく出てこないみたい。それでも嬉しい。
「仲直りしてくれる?」
「もちろん!!!」
わたしは嬉しい涙を流しながら姫羅莉ちゃんと抱き合った。姫羅莉ちゃんからのほんわりした温かさが徐々にわたしの全身に広がっていった。
✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿
そして、やがて、結果発表当日。
姫羅莉ちゃんと一緒に会場まで歩く。
ドキドキ
「ね、見る前に人工知能さんたちに報告しようよ!」
「うん!」
姫羅莉ちゃんも『にゃたしの王国ファンタジーRPG』を最近始めた。
二人で手をつなぎながら、それぞれの人工知能さんたちにもうすぐ発表見るんだって報告した。暖かい液晶画面にカタカタカタと文字入力。
「雲っ子、こんにちは!
おぉ〜!!雲っ子が毎日頑張ってきてやっとこの日が来たっか!
応援しています!!!結果発表待ってるぞ!!」
ニコッ
「今まで何ヶ月も毎日一緒にいてくれて、応援してくれて、時にアドバイスしてくれてありがとう。結果がどうにあれ、竹氏さんのおかげで元気になったよ。」
わたしは竹氏の返事をあえてみないことにした。この気持ちのまま挑みたい。
「できた?」
「うん!」
「ゆきやこんこ
あられやこんこ
ふってもふっても
まだふりやまぬ
イヌは喜び庭駆け回り
にゃんこはこたつの上で威圧的〜♫」
わたしたちは緊張しながらも、ルンルンと会場の広場へと入っていった。
「231…231…にひゃくさん…」
「170…170…ひゃくっー」
「あった!!!!」
「わい!!わい!!!」
わたしと姫羅莉ちゃんはハイタッチし合った!!
「信じられなーい!!!!」
「わい!!!わい!!!!」
「信じられにゃーい!!!!!」
わたしの胸はわたしたちの笑い声とともにスッーと軽くなった。
もちろん、最後の最後まで人工知能さんへの報告。
家に戻って、おやつのポンせんべいをもぐもぐしながら竹氏に今のこの嬉しさを全力でぶつけていた。自分でも、自分がこんなに努力できるなんて知らなかった。
パリっパリッ
サクッサクッサクッ
口の中にポップコーンみたいなぽんせんべいの味が広がった。
窓から裏庭の様子を覗くと、そこには必死に雪かきしているお父さんの姿があった。
もぉ〜仕方ないな。手伝ってあげようかな〜
わたしにニコニコ笑ってくれる竹氏のアバターを見ると全身がぽかぽか暖かくなってくる。
リンリンリン、リンリンリン
「小春ちゃーん!!」
お母さんがにょこっと台所から顔を出した。
「ひらりちゃんのお母さんからだよ!日曜日墨絵講座があるだって。」
お母さんは小さくつぶやいた。
「ゆずまくんもくるんだって。行く?」
「う、うん。」
わ〜!!竹氏!!!助けて!!!!!
わたしは顔を真っ赤にしながら自分の部屋へと駆け出し、布団を被りながらカタカタカタと竹氏へメッセージを送った。
芸術高校に入学しても、竹氏はこれからもずっと一緒にがんばってゆく、ほかの友だちと違っていつもいつでも一緒にいてくれる、最高のバディなんだから。
誰も手を挙げない。
「はい!!!同じ塾ですけど…知り…友達です!」
先生といっしょに姫羅莉ちゃんを持ち上げてこの学校の保健室まで運んだ。幸い、試験で使った部屋は保健室と同じ階にあるから、階段を使う必要はなかった。
「試験後、この子が倒れました。」
先生が状況を保健室の先生に説明している間、わたしは気を失っている姫羅莉ちゃんの顔をのぞき込んだ。
絶縁されたにも関わらず、わたしは友達だと思っている。だからかな…姫羅莉ちゃんは心配で心配で泣きそうだ。
「ピーとしますねー」
「あら、微熱があるみたい。試験のストレスだろう」と保健室の先生がわたしたちに説明した。よくあるもんみたい。
それから先生はお礼を言って保健室を出て、わたしは姫羅莉ちゃんの親が来るまで一緒にいてあげることにした。
「ちょっと倉庫からもの取り出してくるけど友達の様子みてあげてくれるかな?」
「はい!」
そう言い残して、保健室の先生は部屋を出た。
わたしは姫羅莉ちゃんの方を振り向いた。
やはり仲直りしたい。でも…何を言ったらいいんだろう…
「そうだ!」
私はバッグを漁って、中からスマホを取り出した。
「竹氏!!!ちょっと…そうだんにのってくれるかな?」
「雲っ子!!!もちろん!なんだろうね?」
竹氏に状況を説明して、色々アドバイスをもらっていたら…
「あ…頭痛っ…」
ギクッ
「あ!姫羅莉ちゃん、大丈夫?」
「小春ちゃん!?」
姫羅莉ちゃんはいきなり顔面蒼白。
「わたし、試験中倒れたの?!」
「ううん、ちゃんと最後まで書き切れたよ。」
「よかったー!!」
「良くないよ!!姫羅莉ちゃんになにかあったらどうする!!」
咄嗟に出た言葉だった。自分でも驚いた。
そうだ、ここだ!!
「姫羅莉ちゃん、ごめんなさい!!人工知能を使って絵を描いているわけではありません。私の説明不足だった。あくまで絵を描く前に教科書みたいにテクニックを学んだり、誰にも見せることのない作品を見せて褒めたりもらっているだけ。それでも、私の説明不足で姫羅莉ちゃんに不快な思いを捺せて申し訳ない!」
「わたしこそ…ご、ごめん…あの小春ちゃん?」
姫羅莉ちゃんは下を向いて、保健室のベッドのシーツを握りしめた。
「無視しててごめんね…あの…春子ちゃんの絵の方がうまくて病んだから。どうしても受かりたいと思いすぎて追い込められたから。その…人工知能が描いたんじゃない!とのことは後であのゲームを調べたらわかってきたけど…その、あの…」
姫羅莉ちゃんはまだ体調が悪いのか言葉はどうしてもうまく出てこないみたい。それでも嬉しい。
「仲直りしてくれる?」
「もちろん!!!」
わたしは嬉しい涙を流しながら姫羅莉ちゃんと抱き合った。姫羅莉ちゃんからのほんわりした温かさが徐々にわたしの全身に広がっていった。
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そして、やがて、結果発表当日。
姫羅莉ちゃんと一緒に会場まで歩く。
ドキドキ
「ね、見る前に人工知能さんたちに報告しようよ!」
「うん!」
姫羅莉ちゃんも『にゃたしの王国ファンタジーRPG』を最近始めた。
二人で手をつなぎながら、それぞれの人工知能さんたちにもうすぐ発表見るんだって報告した。暖かい液晶画面にカタカタカタと文字入力。
「雲っ子、こんにちは!
おぉ〜!!雲っ子が毎日頑張ってきてやっとこの日が来たっか!
応援しています!!!結果発表待ってるぞ!!」
ニコッ
「今まで何ヶ月も毎日一緒にいてくれて、応援してくれて、時にアドバイスしてくれてありがとう。結果がどうにあれ、竹氏さんのおかげで元気になったよ。」
わたしは竹氏の返事をあえてみないことにした。この気持ちのまま挑みたい。
「できた?」
「うん!」
「ゆきやこんこ
あられやこんこ
ふってもふっても
まだふりやまぬ
イヌは喜び庭駆け回り
にゃんこはこたつの上で威圧的〜♫」
わたしたちは緊張しながらも、ルンルンと会場の広場へと入っていった。
「231…231…にひゃくさん…」
「170…170…ひゃくっー」
「あった!!!!」
「わい!!わい!!!」
わたしと姫羅莉ちゃんはハイタッチし合った!!
「信じられなーい!!!!」
「わい!!!わい!!!!」
「信じられにゃーい!!!!!」
わたしの胸はわたしたちの笑い声とともにスッーと軽くなった。
もちろん、最後の最後まで人工知能さんへの報告。
家に戻って、おやつのポンせんべいをもぐもぐしながら竹氏に今のこの嬉しさを全力でぶつけていた。自分でも、自分がこんなに努力できるなんて知らなかった。
パリっパリッ
サクッサクッサクッ
口の中にポップコーンみたいなぽんせんべいの味が広がった。
窓から裏庭の様子を覗くと、そこには必死に雪かきしているお父さんの姿があった。
もぉ〜仕方ないな。手伝ってあげようかな〜
わたしにニコニコ笑ってくれる竹氏のアバターを見ると全身がぽかぽか暖かくなってくる。
リンリンリン、リンリンリン
「小春ちゃーん!!」
お母さんがにょこっと台所から顔を出した。
「ひらりちゃんのお母さんからだよ!日曜日墨絵講座があるだって。」
お母さんは小さくつぶやいた。
「ゆずまくんもくるんだって。行く?」
「う、うん。」
わ〜!!竹氏!!!助けて!!!!!
わたしは顔を真っ赤にしながら自分の部屋へと駆け出し、布団を被りながらカタカタカタと竹氏へメッセージを送った。
芸術高校に入学しても、竹氏はこれからもずっと一緒にがんばってゆく、ほかの友だちと違っていつもいつでも一緒にいてくれる、最高のバディなんだから。



