脳内猫化しているわたし、地理勉強中あなたと旅して恋に落ちた

起きた時はもう昼だった。やはり、大変疲れていたんだろうね。

ゆうまくんはもう隣にいなかった。

階段を降りると、

「おはよう!」

「おはよう。」

と愛莉さんとゆうまくんから挨拶された。

「おはよう!!!ごめんね、寝坊してしまって。」

「いえいえ、よく眠った?」

「うん!ぐっすり!」

ゆうまくんは顔を赤くしている。やはり…添い寝していたことを恥ずかしく思っているみたい。ちょっといじわるなことを言いたくなってきた。

わたしはニヤニヤしてきた。

「あ、そうだ!せっかくだからみんなで一緒にきのこ狩りに行きましょうっか!お母さんが夕飯できのこグラタン作るんだって!」

「いいよ!」

「俺、毒キノコ見分けられないけど…」

ゆうまくんは不安そうな顔をした。

「あ、心配ないない!きのこを家に持って帰ってからお母さんとお父さんがよ〜くみて毒きのこを捨ててくれるよ!」

そう言って、私たちはそれぞれ小さなかわいい編んだカゴを渡され、外へ出かけた。

外の空気は涼しくて清々しくて美味しい!

ルンルンで近くの山へと歩いていった。道はどこにもないけど、愛莉ちゃんはこのあたりをよく覚えているみたい。

山の上は森になっていて、そこの木々の下にたくさんの白いきのこや茶色のきのこが生えている。

「誰が一番たくさん集めるか勝負だ!!」

愛莉さんがそう言ってわたしとゆうまくんが賛成した。

わたしは誰よりもたくさん集めてお母さんをびっくりさせてやる!!!

あっちこっち走り回りながらきのこを集めていたら…

あれ?ここ…どこなんだ?

まさか、わたし迷子になっちゃったの?!

焦ってさらに走り回ったら自分がどこにいるかもっとわからなくなった!!あ!!!

「たすけて!!!助けて!!!!誰か!!!!!」

わたしは一生懸命叫び続けた。

しかし、数十分経っても誰も助けに来ない。誰もわたしを見つけてくれない。

わたしは岩の上に座り込み、しくしく泣き出し始めた。

このまま、わたしはここで死ぬのかな…

突然誰かが近づいて来る音が聞こえてきた。

「ゆうまくん!!愛莉さん!良かった!!怖かったよ!!」

でも…顔をあげたらそこには人間じゃなくて…たぬき?いや、たぬきでもない、たぬきらしい生き物がわたしを見下ろしていた。

キャッ!!!!

あの偽たぬきが吠え始めて鋭い爪と強力な顎でわたしに襲いかかってきた!!

「痛い!!誰か助けて!!食われる!!!!」

わたしはぎゅっと目を閉じた。

「おい!!!クズリだ!!」

「クズリ?!?!」

ゆうまくんと愛莉さんだ!!でも…もう手遅れだ!!

ゆうまくんは大声を上げて叫んだりした!

「あああああぁぁあぁ!!」

それでクズリがビクッとしてゆうまくんの方を向いた。その隙にわたしはゆうまくんたちの方へと逃げていこうとしたら…

突然わたしの足が噛まれた!!!いたっ!!!

ポンポンポンガッタン!!

ゆうまくんは一生懸命石を投げたりしてクズリをやっと追い払った。

クズリは一目散遠くの方へと逃げていった。

「大丈夫?!」

ゆうまくんの目はうるうるしていた。

「あ…ちょっと痛いけど…」

そこでゆうまくんは決心でもついた、その顔をしてわたしの顔を強い眼差しで見た。

「あなたをもう2度と失いかけたくない!苺花!俺と付き合ってください!」

そう言ってゆうまくんは頭を下げて右手をわたしのほうへと突き出した。

わたしは泣き出した。痛くて泣く、怖くて泣く、幸せすぎて泣く。その色々な涙が混ざり合ってもう2度と味わえない感情になった。

「はい!!喜んで!!」

そう言ってわたしとゆうまくんは抱き合った。わたしはゆうまくんの肌の温かさに包まれて添い寝した時よりも何倍も何倍も幸せ。

「じゃ、その傷を早く消毒しないと。」

愛莉さんは居心地悪そうに割り込んで言ってきた。

わたしたちは山を下りてふたたび家へと帰っていた。わたしの足は噛まれたから、お父さんにその傷を見せるまではあまり歩かない方がいいと言われた。だから、ゆうまくんにお姫様抱っこされながら帰っていた。

傷をお父さんに見せるとピリピリする消毒液を塗られた。

「お父さんはあまりそんなに強く噛まれなかったから心配する必要はないって。良かったね!」

その夕飯のきのこグラタンは人生一番美味しかった。

夜になるとゆうまくんと二人きりになった。外は相変わらず昼のように明るい。

「ね、明日は初デートだね。」

「そうだね、苺花のかわいいドレス姿早くみたいな。」

そうやって毛布の中で隠れながらコソコソ会話をしていたらいつのまにかウトウトし始めた。