ヴァンパイア猫耳エクレア

それから見えたのは、商店街の町並の端っこと町を囲む霧に包まれた大きな森だけ。

「木々に囲まれてうまく見えないだろうけど、そこにはね、血液の保存冷凍タンクがある。我々吸血鬼が飲む血は全て蚊が持ってくる。その方は誰の命も奪わずに我らが必要とされる大量の血液が手にはいれるからね。しかし、蚊は冬の間外に出ないでしょう?だから、その血液は大きな冷蔵保管タンクにほうかんされ、冬でも飲めるようにためて置くよ。」

お父さまはそう説明した…ということは…

「つまり、冬が終わったばかりで血液はもう倉庫切れ?!」

「まあ、そうかもね。蚊はもうあっちこっちから持ってくる季節になってるはずなんだけど…」

気を取り直したお母さまは慌ててわたしに温かい水筒を渡した。

「これは今朝最後に出てきたものだよ。温めておいたからきっとよく効くよ。飲んでて!」

わたしは水筒を受け取ってごくごくと一気に飲み干した。