いっそのこと来ないでくれと、嫌いだと思っていたはずの朝は、そんなことを思う暇もなく訪れた。
「いっっっつまで寝てんだ新人!!!!」
バンバンと扉を叩く音と同時に聞こえた怒鳴り声に、心地良かった眠りが覚めてしまう。
「どわあああ!!」
眠りから覚め慌てて起き上がれば、勢いよく扉を開けてナオがずかずかと部屋に入ってくる。
昨日と同じくタキシード姿。しかし、今の彼の額には、くっきりと血管が浮かび上がって怒りが全身から溢れていた。
「今何時だと思ってんだ」
「え、えっと……まだ朝の五時半ですけど」
「“もう”五時半なんだよ。執事が身支度もせずに寝てるとか、マッジで有り得ないんだけど」
五時半に叩き起こされる方が有り得ないんですけど。
思わず喉元まで言葉がで掛かったが、既のところで飲み込む。
今のナオを刺激すれば、地雷が大爆発を起こすだろう。そんなことあってはならない。
「ほら、さっさと着替えて仕事に行け!」
「は、はひぃ!」
またも勢いよく扉を閉められ、再び静かな朝が戻ってくる。
しかし、凪冴の心臓はバクバクと音を立てて激しく脈打っていた。
(……はぁ、執事って大変なんだなぁ)
一体、ナオは何時に起きて何時から働いているのだろう。
ばっちり決められた髪は、短時間ではセットできないはず。となれば、もっと早くから起きて準備をしていたわけで。
「癖っ毛で良かったかも……」
ストレートの短髪であるイツキ、襟足の長さが特徴的なメンズウルフカットのナオでは、きっと寝癖を直すだけでも時間が掛かる。
その反面、天然パーマの凪冴の髪は、寝癖よりも癖っ毛が勝るため直す必要がない。
彼らに勝っている部分は、恐らくノーセットでなんとかなる髪くらいだろう。
(マアサさんにお礼言わなきゃなぁ。短いの慣れないけど、楽でいいや)
クローゼットの中から支給されたタキシードを取り出し、昨夜を思い出しながら着替える。
ネクタイを結べない旨を説明すると、呆れながらもイツキは蝶ネクタイを用意してくれた。意外と面倒見がいいらしい。
着替え終わって姿見で最後の確認をしてから、深く深呼吸をして部屋を出た。
と、その時。
「きゃっ!」
「うわっ!」
部屋を出るなり足元に何かがぶつかった。
突然のことで何が起きたのか分からなかったが、小さな声が聞こえて視線を落とす。
「うわあああん! ごめんなさいぃ! あたしなんかがぶつかってしまってごめんなさいぃぃぃ」
足にぶつかって吹っ飛び、廊下に蹲っていたのは、メイド服を着た小学生くらいの少女であった。
「いっっっつまで寝てんだ新人!!!!」
バンバンと扉を叩く音と同時に聞こえた怒鳴り声に、心地良かった眠りが覚めてしまう。
「どわあああ!!」
眠りから覚め慌てて起き上がれば、勢いよく扉を開けてナオがずかずかと部屋に入ってくる。
昨日と同じくタキシード姿。しかし、今の彼の額には、くっきりと血管が浮かび上がって怒りが全身から溢れていた。
「今何時だと思ってんだ」
「え、えっと……まだ朝の五時半ですけど」
「“もう”五時半なんだよ。執事が身支度もせずに寝てるとか、マッジで有り得ないんだけど」
五時半に叩き起こされる方が有り得ないんですけど。
思わず喉元まで言葉がで掛かったが、既のところで飲み込む。
今のナオを刺激すれば、地雷が大爆発を起こすだろう。そんなことあってはならない。
「ほら、さっさと着替えて仕事に行け!」
「は、はひぃ!」
またも勢いよく扉を閉められ、再び静かな朝が戻ってくる。
しかし、凪冴の心臓はバクバクと音を立てて激しく脈打っていた。
(……はぁ、執事って大変なんだなぁ)
一体、ナオは何時に起きて何時から働いているのだろう。
ばっちり決められた髪は、短時間ではセットできないはず。となれば、もっと早くから起きて準備をしていたわけで。
「癖っ毛で良かったかも……」
ストレートの短髪であるイツキ、襟足の長さが特徴的なメンズウルフカットのナオでは、きっと寝癖を直すだけでも時間が掛かる。
その反面、天然パーマの凪冴の髪は、寝癖よりも癖っ毛が勝るため直す必要がない。
彼らに勝っている部分は、恐らくノーセットでなんとかなる髪くらいだろう。
(マアサさんにお礼言わなきゃなぁ。短いの慣れないけど、楽でいいや)
クローゼットの中から支給されたタキシードを取り出し、昨夜を思い出しながら着替える。
ネクタイを結べない旨を説明すると、呆れながらもイツキは蝶ネクタイを用意してくれた。意外と面倒見がいいらしい。
着替え終わって姿見で最後の確認をしてから、深く深呼吸をして部屋を出た。
と、その時。
「きゃっ!」
「うわっ!」
部屋を出るなり足元に何かがぶつかった。
突然のことで何が起きたのか分からなかったが、小さな声が聞こえて視線を落とす。
「うわあああん! ごめんなさいぃ! あたしなんかがぶつかってしまってごめんなさいぃぃぃ」
足にぶつかって吹っ飛び、廊下に蹲っていたのは、メイド服を着た小学生くらいの少女であった。



