あの夜を越えて、雪の中に迷いはなくなった。
未来には帰らない。そう言葉にしたことで、自分の中で燻っていた迷いが消えたのだ。
だから、これからも彼らの誠という道筋を隣で歩けると思っていた。
「新撰組は、───……解散する」
それは、何の前触れもなく突拍子に宣言された。
言葉の意味を理解しているのは、発した本人である近藤だけ。それ以外の面々は、皆何を言われたのか理解できなかった。
「我々は、これより甲府へと向かう」
「お、お待ち下さい局長! 解散とは、一体どういうことですか!?」
ある意味勇気のある平隊士が反論の異を唱えた。
それを筆頭に、他の隊士も広間の中心に座する近藤に異論をぶつけだす。
瞬く間に広間の中は騒がしくなった。それでも、雪の隣りに立つ土方は何も言わない。斎藤もまた目を閉じているだけだった。
「もう、これ以上戦場で走れとは言わない。お前達は、お前達の進みたい道を進んでくれ」
答えになっていない答えを聞いたとて、納得できるはずもない。
そう分かっているはずなのに、近藤は微笑むだけでそれ以上何も言おうとはしなかった。
「誠の旗の元に集った新撰組は、もう終わったんだ」
「……そんなの、無責任すぎます!」
思わず声を荒げてしまった。我慢ならなかったのだ。
新撰組は、居場所だった。仲間の存在を、生きる意味を、失うことの悲しみを、それ以外にもたくさん教えてくれた。
「皆、戦うためにここまで来たんじゃないんですか!? ようやくここまで来たのに終わっちゃうなんて!」
「雪、やめろ」
「でも!」
志が消えたわけではない。負けると諦めたわけでもない。
むしろ、誰よりも誠を抱いている近藤だからこそ、その結論に至ったのだと理解している。
それでも、いつだって前線を走っていたのは新撰組。負け戦だと言われても、時代遅れだと言われても、刀で立ち向かってきた。
こんな所で終わるはずなんてない。そう信じていたのに。
「言っただろ。俺は、二つも三つも抱えらんねぇって」
始まりには終りがある。それが世の理だ。
どんなに名が知れ渡った人でも、結局は名前しか見られていなくて。皆から鬼だと恐れらた人でも、裏では泣いていて。剣の才能があった人でも、病で剣が握れなくなってしまって。
いつかは終りが来る。それが、今だっただけのこと。
未来には帰らない。そう言葉にしたことで、自分の中で燻っていた迷いが消えたのだ。
だから、これからも彼らの誠という道筋を隣で歩けると思っていた。
「新撰組は、───……解散する」
それは、何の前触れもなく突拍子に宣言された。
言葉の意味を理解しているのは、発した本人である近藤だけ。それ以外の面々は、皆何を言われたのか理解できなかった。
「我々は、これより甲府へと向かう」
「お、お待ち下さい局長! 解散とは、一体どういうことですか!?」
ある意味勇気のある平隊士が反論の異を唱えた。
それを筆頭に、他の隊士も広間の中心に座する近藤に異論をぶつけだす。
瞬く間に広間の中は騒がしくなった。それでも、雪の隣りに立つ土方は何も言わない。斎藤もまた目を閉じているだけだった。
「もう、これ以上戦場で走れとは言わない。お前達は、お前達の進みたい道を進んでくれ」
答えになっていない答えを聞いたとて、納得できるはずもない。
そう分かっているはずなのに、近藤は微笑むだけでそれ以上何も言おうとはしなかった。
「誠の旗の元に集った新撰組は、もう終わったんだ」
「……そんなの、無責任すぎます!」
思わず声を荒げてしまった。我慢ならなかったのだ。
新撰組は、居場所だった。仲間の存在を、生きる意味を、失うことの悲しみを、それ以外にもたくさん教えてくれた。
「皆、戦うためにここまで来たんじゃないんですか!? ようやくここまで来たのに終わっちゃうなんて!」
「雪、やめろ」
「でも!」
志が消えたわけではない。負けると諦めたわけでもない。
むしろ、誰よりも誠を抱いている近藤だからこそ、その結論に至ったのだと理解している。
それでも、いつだって前線を走っていたのは新撰組。負け戦だと言われても、時代遅れだと言われても、刀で立ち向かってきた。
こんな所で終わるはずなんてない。そう信じていたのに。
「言っただろ。俺は、二つも三つも抱えらんねぇって」
始まりには終りがある。それが世の理だ。
どんなに名が知れ渡った人でも、結局は名前しか見られていなくて。皆から鬼だと恐れらた人でも、裏では泣いていて。剣の才能があった人でも、病で剣が握れなくなってしまって。
いつかは終りが来る。それが、今だっただけのこと。



